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BIFF で観た韓国映画 vol.1


BIFF で観た韓国映画は 5 本。

まず商業系、今年の大作 2 本から。

『群盗: 民乱の時代』
ユン・ジョンビン監督のスタイルは嫌いじゃないけど、やや引っ張りすぎ。でも楽しい。

『海霧』
今年のワースト韓国映画に決定。


『群盗: 民乱の時代』
英語字幕

原題: 군도: 민란의 시대
製作年: 2013 年
監督: ユン・ジョンビン
出演: ハ・ジョンウ、カン・ドンウォン、イ・ソンミン、イ・ギョンヨン、チョ・ジヌン

あらすじ: 官吏による民の搾取が横行する世の中。智異山を拠点とする義賊が登場し、弱き民を助け世の中を正そうとする。畜獣の屠殺の仕事に従事する白丁トル・ムチ (ハ・ジョンウ) は、圧政を強いる両班チョ家に母と妹を殺され、トチと名をあらためて義賊に合流。民衆の敵チョ・ユン (カン・ドンウォン) との対決の時を待つ。

= = = = =

本作は、貴族による圧政に苦しむ民衆が義賊とともに立ち上がり、貴族を懲らしめようというストーリー。織田信長に対抗して戦いを挑む一向衆のような... 違うか?(笑)。リベンジと勧善懲悪、強きをくじき、弱きを助けるという非常にわかりやすいストーリー構成で、アクションをふんだんに盛り込んだ娯楽劇。やや西部劇っぽく仕上げているところにツッコミを入れたくなるけれど、そういう趣向を意図的に監督は取り入れたかったのかもしれません。

娯楽作品としてはとても楽しめる作品で、おカネかかってるなぁと (笑)。ただ前半の 1 時間がとても長く感じられたのですが、人物紹介やら背景説明がちょっとクドイせいかもしれませんが、もちろん、それはそれで分かりやすい面でもありますが。

ずいぶんと劇画風な演出だと思ったら、この作品は、漫画が原作だったのですね。それぞれ独立していた、義賊として台頭するまでのトチ (ハ・ジョンウ) のエピソードと、極悪お代官様になるまでのチョ・ユン (カン・ドンウォン) のエピソードを組み合わせた展開になっているので、登場人物が多くて、やや複雑に感じられるところもあります。

それにしても、義賊役のイ・ソンミン、イ・ギョンヨンをはじめとするアジョシたちが、なんといってもめちゃくちゃカッコいい!!! アジョシ好きの方、とくにイ・ソンミンに惚れること間違いなしです。

美しすぎる極悪人役のカン・ドンウォン、こちらも、もう溜め息が出るぐらいカッコいい華麗な刀さばき (これはスタントの人でしょうか・笑)。ひらひらと舞う衣装のスローモーションも映像として魅力的で、悪と美の合体を可視化させることに成功していると思います。

勧善懲悪を軸としたアクション劇なので、展開自体は確かにそれほど物珍しいわけではないのですが、その時代背景に流れる儒教の中心概念ともいうべき性善説も組み込まれていて、ディテールへのこだわりが垣間見られます。見逃している細部を再度確認したいなと思います。

ただ、上から目線で申し訳ないのですが、もう少しすっきり編集できないのかなと思うところが多々あります。贅肉をそぎ落とせたら、もっと洗練された感じが出るのに、もったいない部分があるなと思いました。

My 評価: ★★★☆





『海霧』
英語字幕

原題: 해무
製作年: 2013年
監督: シム・ソンボ
出演: キム・ユンソク、パク・ユチョン、ハン・イェリ、ムンソングン、キムサンホ、イ・ヒジュン、ユ・スンモク、ユン・ジェムン

あらすじ: 麗水の漁船チョンジン号の船長チョルジュ (キム・ユンソク) は、経済危機のあおりをうけ、船を失う危機に陥る。船を守るために、チョルジュは、密航に手を貸すことを仲間の 6 人の船員たちに提案する。中国から命を賭けて海を渡る密航者たちを引き揚げると、そこに海洋警察が現れる。船員たちは慌てて密航者たちを保管倉庫に閉じ込める。海洋警察の詮索を逃れた後、倉庫の扉を空けると、密航者は全員窒息死していた。アクシデントがあったのだ。海霧がたちこめる中、船員たちは恐るべき行動をとる。

= = = = =

センセーショナルな題材、個性派俳優勢ぞろい、K-POP トップアイドルのスクリーンデビュー、大物監督によるプロデュース、豊富な投資力... と、制作上、マーケテイング上の好材料に恵まれながらも、あまりに残念な作品。ワタシにとっては早くも今年のワースト韓国映画。その理由を、ぐちゃぐちゃ述べたいと思います (笑)。.

ひとことで言うと、魅力のない作品。

どういうことかというと...
本作は、ほとんど船の上での狭い場所での出来事が中心なのですが、観ている方が船酔いしそうなほどの閉塞感も全く感じられないし、追いつめられて逃げ場のない狂気や緊迫感も感じられないし、人間としてあるまじき行為に対する深淵なる罪悪感さえも、こちらに届いてこないのです。

あくまでも仮定ですが、この作品は、インディー系で苦労している監督が演出し、手垢のついていないインディー系で活躍している手堅い俳優たちに任せたなら、とてもいい仕上がりなったような気がするのです。そういう作風が似合うと思います。この素材を商業映画で派手に演出しようとしたことは、得策ではなかったような気がします。

本作では、演技派とよばれる名の通った俳優がずらりと顔をそろえ、その中に所在なさげなアイドルがポツリ。このアイドルに罪はなく、こうした手垢のついた違和感のあるキャストをスクリーンになじませるのも監督の手腕にかかっていると思います。俳優たちは、個人として個性あふれる方々ですが、登場人物としてのキャラクターの作り上げ方は、平面的で粗雑な感じがしました。監督は、「登場人物のひとりひとりが何らかの象徴を背負っている」 と述べておられましたが、それらがきっちり伝わるような構成力が欠けていたように思えます。

この作品が伝えたいことは何だったのか、さっぱり分かりません。薄っぺらいロマンス劇に、アイドルが顔を出すとさらに薄っぺらく虚しく映ります。ハン・イェリは良かったですけどね。というか、これはロマンス劇なんでしょうか?

上映後の監督の QA で、「あの状況下でのドンシク (パク・ユチョン) とホンメ (ハン・イェリ) のチョメチョメシーンは、理解しがたいので説明してもらいたい」 との観客のツッコミに、ワタシも思わず 「マジャヨ」 と。外国人の観客たちからも苦笑いが漏れました。監督は、あのエピソードがもともと演劇にあったことを強調し、とても重要なシーンなのだと力説しておりましたが、だから、その重要性がわかるようなシーケンスにしてほしいのですよ。

さらに、別の観客からはラストシーンについて、「事件から 6 年後のシーンは不要だ」 というご指摘。ごもっともです。鋭い!!ワタシもまったく同感。こちらは演劇にもともとないエピソード。どれだけ、アイドルのロマンス物語に執着したいんだか...と思ったら...

監督は、「この作品で社会的メッセージを送りたかったのだ」 と述べられました。ええーーっ!!! 社会派を目指していたのですか!! 下層社会で生きる人々の姿を... と仰っておられましたが、下層社会に暮らす人々が必死に生きるためなら死体を切り刻むこともあり得るという恐ろしい現実のこと? それならあんな薄っぺらいロマンス劇を引っ張って終わらせる必要はないのでは?

一方で、演劇にもともとあるシーンだからと言い訳しつつ、片方で、もともとないようなシーンを追加したりと、この監督の言い分は一貫性がないのですよ。監督の QA を聞くうちに、どんどん、評価が下がってしまった...

さらに、外国人の観客からは、「プロデューサーとして参加したポン・ジュノ監督は、この作品のどこにどう関わっていたのか」 という質問まで飛び出しました。暗に、ポン・ジュノはこれで OK したのかと言いたげ?(ワタシの勝手な解釈)。5 月の来日時のトークで、ポン・ジュノ PDは本作に関して監督に口出ししていないと語っていたような気がしますが、この監督によると、過剰な演出をカットするようにアドバイスを受けたそうです。ポン・ジュノ PD は二度とプロデューサー業をしたくないと言い切っておられましたが、この作品で懲りたのかしらん?

個人的には、製作側のファーストオファーだったソン・ジュンギ君が本作に出演できなくて良かったと胸をなでおろしました。ワタシがこの作品をワーストに決定したのは、人材も投資もまったくの宝の持ち腐れにしか見えず、作品の核心が胸に響いてこなかったからです。

My 評価: ★

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なお、旧館からの移行記事 (2012年3月以前) はうまく反映されていないものがあります。

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