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11 月に観た韓国映画 vol.3


今回のテーマは 「不倫」。

『バラナシヘ 不倫の時代』
おととしの BIFFで、主演のユン・ドンファンを何度も見かけました。アート色強い作品。

『누구의 딸도 아닌 해원 / 誰の娘でもないヘウォン (原題)』
イ・ソンギュンの声が聞きたくて... またまたダメな映画監督でした。




『バラナシヘ 不倫の時代』
日本語字幕

原題: 바라나시 (불륜의 시대)
製作年: 2011 年
監督: チョン・ギュファン
出演: ユン・ドンファン、チェ・ウォンジョン、シン・イェアン、Nollaig Walsh

あらすじ: 出版会社社長のヨンウ (ユン・ドンファン) は、所属作家のスヨン (シン・イェアン) と愛人関係にある。スヨンはヨンウの妻への配慮も忘れない、クールな愛人だ。そんな夫の不倫に気付いている妻ジヨン (チェ・ウォンジョン)。ある日、レバノン出身でムスリム過激派と関わっている青年と出会い、恋に落ちる。ジヨンは、実家へしばらく戻ると書置きを残し、ケリム (Nollaig Walsh) を追ってインドのバラナシへと向かう。

=====

本作のメガホンを取ったチョン・ギュファン監督は、『무게 / The Weight / 重さ』 で 2012 年ベネチア国際映画祭 Queer Lion Award を受賞、本作も第 62 回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に出品されていて、インディーズアート色の濃い作品が多いです。「タウン 3 部作」 もこの監督でしたか... ワタシが観たのは 3 部作のうち、『モーツアルト・タウン』 だけですが、かなり相性が悪かった (笑) ことを記憶しています (『モーツァルト・タウン』 の感想記事)。

さて本作について。時間軸があちこちに飛び、舞台もソウルとバラナシを行き来するため、それぞれの場面が全体のどこに位置するのかと戸惑うことに疲れてしまいました。見終わるとひとつにつながってわかります。

出版社社長の夫は女流作家と不倫をしていて離れることができない。それを目撃した妻が、たまたま知り合ったレバノン出身でムスリム過激派に取り込まれた青年とやはり不倫をして、バラナシまで追いかけていくという。すれ違った夫婦の話にすぎないのです。

バラナシという舞台を選んだ理由や時間軸の動かした理由については、監督のインタビュー記事で確認しました。そういうことは、やはり話を聞かないとわからないことで、観ただけでは確信が持てないことが多かったです。

セックスシーンが多く挿入されているのですが、その肉感的な営みは、艶めかしさというよりは生々しさを強調しているように見えました。さらに、何かことさら美化して映し出しているわけでもなく、そうした淡々とした飾り気のなさのおかげで、観る者は照れることはありませんでしたが。

バラナシを選んだのは生と死が存在する場所だからと語っていた監督。肉体は 「生」 の象徴で、魂は 「死」 の象徴なのでしょうかね。

ソウルといい、バラナシといい、街をとらえる視点はまるでドキュメンタリーのように冷たく感じます。その街に蠢く一部の人々を切り取ったような形で構成されていますが、その人々はどこかに情念や魂を置き忘れているかのように、虚無感が漂っています。

本作には宗教的な交錯にも多少触れていると思うのです。たとえば、社長は敬虔な仏教徒であること、青年はテロを起こすようなムスリム過激派、そして、バラナシはヒンドゥ教の聖地。ただ、その交錯は表層的で生死観を見据えるほどの深掘りはなかったようで (ワタシの理解不足か?)、何だったんだろうと疑問に思ってしまいます。

参考: インタビュー記事

My 評価: ★★




『누구의 딸도 아닌 해원 / 誰の娘でもないヘウォン』
英語字幕

原題: 누구의 딸도 아닌 해원
製作年: 2013 年公開
監督: ホン・サンス
出演: イ・ソンギュン、チョン・ウンチェ、キム・ウィソン、ユ・ジュンサン、イェ・ジウォン、キム・ジャオク、キ・ジュボン、リュ・ドックァン

あらすじ: 女子大生ヘウォン (チョン・ウンチェ) は、大学の教授であるソンジュン (イ・ソンギュン) との不倫関係にあり、なかなか関係を断ち切れずにいる。そんな中、カナダへ移住している母親 (キム・ジャオク) と久々に会うも、母親と別れた後、寂しくなってソンジュンを呼び出す。2 人が食堂へ向かおうとすると、同級生たちと出くわしてしまい、秘密の関係を学生たちに悟られたのではないかとソンジュンは不安になる。別の日、へウォンとソンジュンは、南漢山城でデートする。秘密さえ守れば問題ないとソンジュン。ヘウォンは


=====


冒頭いきなりジェーン・バーキンが登場して驚きました。『3 人のアンヌ』 のイザベル・ユペールといい、フランスの名女優たちをも魅了するホン・サンス監督。

ソウルの街中を普通に歩いているジェーン・バーキン。そんなことがあるわけないでしょ、と思ったら、ヘウォンの夢の中での出来事でした。

『わたしたちのソニ (原題)』 がとてもわかりやすい、見やすい作品だったことと比較すると、本作はまたもや、『次の朝は他人』 や 『3 人のアンヌ』のように、男女の日常を重層的に表現しているような作品でした。表面的には、妻子持ちのダメ男の映画監督兼大学教授と教え子の女子大生の清算しきれない不倫関係をつらつらと語っているように見えるのですが、ストーリーだけを追うと、とうてい根底に流れるものは見えてこない構成になっています。

ある意味、やれやれと (笑)。最初から見直さないと、ちっともわかってなかったのね、ワタシ... と最後のシーンで、監督に一泡ふかされたことに気づきます。

結局、最後までたどりついたストーリーは、どこまでが現実で、どこからが夢なのか... 思い出せず、なんとも不思議な感覚に陥るのです。でも、おそらく見直しても、現実と夢との境界線は見いだせないような気がします。現実の場面と夢の場面を特定することに、意味はないのかもしれません。ジェーン・バーキンが登場する場面が夢であることが明白なのは、この物語には現実と夢が共存するよというテーゼをここで明確に出していたのだと思います。

相変わらず、男主人公の職業は、映画監督兼大学教授。ホン・サンス作品にはよく登場する職業で、どうしてこういう職業が多いのか、監督自身を投影しているのかとずっと疑問だったのですが、映画監督=夢と大学教授=現実の組み合わせだったのかと、今さらながら気づきました。

ソンジュンは妻ともヘウォンとも別れることができず、不倫から抜け出すことのできない、愛については臆病であり、自己嫌悪の存在であることは、わりとすんなりわかるのですが、ヘウォンの行動は一見奇妙なので、理解に躓いてしまったのかもしれません。それは、夢と現実の行き来のせいだったということなのだと思いますが。

正直、ちょっとワタシの手には負えない作品だなと感じているのですが、この不可思議さがどうしても癖になってしまいます。

ホン・サンス作品常連のユ・ジュンサンとイェ・ジウォンはもちろん、キ・ジュボン、キム・ジャオク、リュ・ドックァンも顔を出し、それぞれが風変わりなスパイスを効かせてくれています。


My 評価: ★★★

tag: 韓国映画

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なお、旧館からの移行記事 (2012年3月以前) はうまく反映されていないものがあります。

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