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10 月に観た韓国映画 vol.4 <TIFF>


先週末に閉幕した東京国際映画祭 (TIFF) で上映された韓国映画はわずか 2 本。数年前と比べると、韓国映画の上映本数はめっきり減りました。プログラマーさんの趣向がはっきり出る映画祭では、プログラマーさんがすでに韓国映画への興味を失っているということなのか、見るべきものが少ないと考えているのか...

見るべきものが少ないというのは、商業系作品にも通じるものがありますが... 。


『붉은 가족 / レッド・ファミリー』
キム・ギドク脚本&製作なので、どうしてもキム・ギドクに衆目が集まり監督の存在がボヤけてしまうのですが、イ・ジュヒョン監督はフランス語ペラペラで、物腰が韓国臭くないのに、なぜか作品は泥臭いという...(笑) そのギャップも面白いです。観客賞、おめでとう!!!

『들개 / 起爆』
この作品の監督も、QA での語り口や作品の構成力を見てインテリな感じがしました。サインをしてくれたので好感度アップ(笑)。





『붉은 가족 / レッド・ファミリー』
日本語字幕

原題: 붉은 가족
英題: Red Family
製作年: 2012 年
監督: イ・ジュヒョン
出演: キム・ユミ、ソン・ビョンホ、チョン・ウ、パク・ソヨン

あらすじ: 北朝鮮から南派工作のために送り込まれたスパイ 4 人は、疑似家族として韓国で暮らしている。誰もが羨むような仲の良い家族を演じているのだ。隣家に住んでいる 「堕落し切った資本主義の犬」 である韓国人の一家は、ケンカの絶えない家族だが、スパイ 4 人は彼らの声を聞きながら、祖国にいる自分たちの家族へ思いを馳せる。隣家の家族と交わるうちに人間的な感情に目覚めていくスパイ一家だが、祖国はあくまでも残酷だった。

= = = = =

TIFF コンペティション部門出品。観客賞受賞。

ワールドプレミアで上映された本作。終電を気にしつつ、ワタシも観に行きました。TOHO シネマズ六本木で最大のスクリーン 7 は満席状態。キム・ギドクのファンらしき男性客が多く、上映後の観客の反応を見て、観客賞は取るだろうと思いました。

コンペ部門で最も泣ける作品というプログラマーの触れこみどおり、やはり自然と涙が出てしまいました。「家族」 ネタは韓国コンテンツのお家芸ですが、いつものお涙頂戴的なベタついたものではなくて、「家族とは何か」 という本質的な問いかけをきちんととらえて見せてくれたからだと思います。
 
『メビウス』 の時にも書きましたが、やはり脚本を書いたキム・ギドクのメッセージはストレートに核心をついてくるというところが潔いと思います。キム・ギドク監督が苦手な方でも、本作には毒気やエグさがまったくないので、観てもイヤな気分にはならないと思います。

コミカルなシーンも多く、中でもスパイたちが 『プンサンケ』 を見るシーンは笑えました。本作同様、キム・ギドク製作・脚本、ギドクのお弟子さんであるチョン・ジェホン監督がメガホンをとった南北問題の作品ですから。

あとは、隣の一家との食事会の最中、北を罵倒する隣家の発言に対して、怪しまれない程度に北を擁護しようとするスパイ一家の反論も面白かったです。

疑似家族スパイは、母役のキム・ユミ、父役のチョン・ウ、祖父役のソン・ビョンホ、娘役のパク・ソヨンの 4 人。このアンサンブルが見事でした。家の外では誰もが羨む仲良し家族、家の中では国家に忠誠を誓う戦士、そのギャップをブラックで見せているところは、笑いつつも切ない気持ちになりました。

観客をぐいぐい引き込むストーリー性は豊かで、登場人物のキャラクターも魅力的でしたが、映像的、美術的な部分(ミザンセーヌ) にはいまひとつ惹かれるものがありませんでした。これも低予算だからなのでしょうかね。せっかくの作品なのに、ちょっと残念でした。

My 評価: ★★★

2013/10/23 Q&A の様子

redfamillyQA.jpg

左から、キム・ギドク、キム・ユミ、イ・ジュヒョン監督、パク・ソヨン、チョン・ウ
パク・ソヨン嬢は、ドラマ 『優しい男』 でジェヒヌナの少女時代を演じた子ですが、キラキラ輝いていました。




『들개 / 起爆』
日本語字幕

原題: 들개
英題: Tinker Ticker
製作年: 2013 年
監督: キム・ジョンフン
出演: ピョン・ヨハン、パク・ジョンミン


あらすじ: 大学の研究室で助手をしているジョング (ピョン・ヨハン) は、研究室の教授から疎まれ、不遇な日々を送っている。爆弾の密造で憂さを晴らしをしているジョングだが、高校時代には爆弾で人を死なせてしまった前科がある。そんなジョングの前に、挙動不審なヒョミン (パク・ジョンミン) が現れ、彼ならば爆弾を使って復讐してくれるのではないかと近づく。ところが、向こう見ずなヒョミンは、社会を騒然とさせる行動に出てしまう。

= = = = =

TIFF アジアの未来部門出品。

不遇な境遇、理不尽な状況に耐えきれない青年が、その鬱憤を爆弾に託して復讐を企むという、プロット的には一見、安易な印象を受けるのですが、時系列を動かさずに、心理的に追い込まれていく青年といつ爆発するかわからない爆弾のイメージが密接に結びついていて、サイコサスペンス的な要素も巧みだったと思います。

憂鬱、罪悪感に押しつぶされそうになりいつか爆発しそうになるジョング自身の心理と同時に、ヒョミンとジョングの微妙な関係がまるで一触即発の爆弾のように繊細でもあり、爆弾は人間関係においてもキーだったと思います。

登場人物は少ないのですが、ストーリー構成がきっちりしていると思いました。各人の明確な背景設定がないため、余計な情報が観客には与えられないことが、かえって 2 人の関係性を追うことに集中できるようになっていたのではないでしょうか。その部分は、ワタシと違って、ストーリーのふくらみに物足りなさを感じた人もいたかもしれませんが。

カメラワークもよく考えられていて、少ない登場人物をいろいろなアングルからとらえていて、嘘っぽさがない所もよかったなと思います。全体的に若い製作スタッフが頑張っているという感じのする作品でした。

邦題は 「起爆」 ですが、原題は 「野良犬」。たしかに世間から見ると既成概念から外れた野良犬のような若者たちですが、爆弾をキーとして見せているので、「起爆」 はなかなかいいタイトルだと思います。

My 評価: ★★★





tag: 韓国映画

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