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日韓演劇週間 <生きる> ことの考察

「STORE HOUSE Collection 日韓演劇週間 <生きる> ことの考察」 で、韓国の劇団コルモッキル 『鼠』 と日本の温泉ドラゴン 『birth』 が上野ストアハウスにて同時上演されました。

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まさしく 「生きる」 とはどういうことかを考えるのにふさわしい 2 作。両作ともなかなか骨太な作品で見ごたえがありました。

いつか見てみたいとずっと思っていた韓国の劇団コルモッキルは、韓国の現代演劇を代表するパク・グニョンが主宰する実力派劇団ですが、今回はユン・ジェムンが合流するというので楽しみにしていました。


観劇日: 9 月 15 日 14:00 ~

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劇団コルモッキル 『鼠』

作・演出: パク・グニョン
出演: キム・ジュホン、ユン・ジェムン、コ・スヒ、チョン・ヒジョン、チョン・セラ、キム・ナムジン、パク・ジェチョル

あらすじ: 水害で疲弊し、鼠たちが猛威をふるう都市。その片隅の一部屋で私設放送を営みながら辛うじて生きる一家の物語。かれら家族はごく平凡な温かい家族のように見えるが、実は彼らは人を捕えて食べながら生きている。

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まずコルモッキルから。

レトロな舞台セットを観ただけで、異様な空気を感じとったものの、登場する家族は貧しくとも一様に素朴で温かく、どこにでもいそうな平凡な人々。そのムードが一変するのが、嵐のごとく登場するユン・ジェムン。

彼の存在感そのものにすでに恐怖を感じたので、これから舞台上の話がホラーに向かうのではないかとさえ思いました。しかも、妹役のコ・スヒとは近親相姦の匂いが漂っていて、もうこれはインモラルな話に違いないと確信。

そして男たちが仕事と称して捕えてきたものは人間。彼らは人肉を食する人々だったのですが、食べていかなければ生きていけないというその究極の選択から、彼らは人間であることを棄てているのですね。

「殺戮と食人が日常的にハッピーに行われる」 という異常性。人間として生きながらえるために、人間であることを棄ててしまっている... なんと痛烈な皮肉でしょうか。生の凄まじさを観た気がしました。

この作品が映画化されたら、さぞかしエグ&グロな内容であろうかと容易に想像されるのですが、不思議と演劇だとエグさやグロさは感じられず、ただ舞台に立っている役者さんたちの人間としての生々しさが恨めしく思われます。

ユン・ジェムンは、これから怪優という名を恣にするのではないでしょうか。

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温泉ドラゴン 『birth』

作・演出: シライケイタ
出演: 筑波竜一、いわいのふ健、白井圭太、阪本篤

あらすじ: 東京の裏町で刹那的に生きるダイゴとマモル。そんなふたりの前に古くからの仲間であるユウジが現れ、「オレオレ詐欺」 を持ちかける。「俺だよ、俺」 浅はかな誘いに乗り、ダイゴがかけた電話はつながるはずのない過去につながっていった。

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次は、温泉ドラゴン。

オレオレ詐欺という社会犯罪についてスパイスを効かせた作品。

『鼠』 では舞台の上手から下手へと人物が登場し左右に行き来する横移動が多いのに対して、『birth』 では、舞台の前後を行き来する縦移動が目につく演出でした。立方体の舞台には、中央奥に鎮座している冷蔵庫以外の道具が一切置かれていません。その冷蔵庫を扉を開閉して、必要な小道具の出し入れを行い、また、人の出入りが行われます。冷蔵庫の扉が外界との扉なのでしょうか?

余計な物が置かれていないため、人の動き、空間の使い方に趣向を凝らしていて、洗練された雰囲気を漂わせています。ちなみに、下手側の壁には大きな穴が空いていて、それは、実際にゲネプロの時にユン・ジェムンが勢い余ってぶつかって空けてしまった穴だとか... 『birth』 の劇中で、ユン・ジェムンはいじられてました (笑)。

社会からはぐれた若者がオレオレ詐欺に手を染め、偽の息子を演じるうちに、正真正銘の自分という存在はどこから生まれてきたのかという基本的な疑問にたどり着くのです。意外だったことは、この作品がひも解かれて最後に現れるのは母親の存在で、情念を強烈にアピールしたのは韓国作品ではなく日本の作品の方だったことでした。

この温泉ドラゴンの創作活動も今後がますます期待できそうです。

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【参考】 こちらのサイトに情報があるので、参考まで。

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