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『追跡者 THE CHASER』 全 16 話 視聴完了

『追跡者 THE CHASER / 추적자 THE CHASER』 全 16 話、見終わりました。

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ヒューマンドラマとしては面白かったです。でも、政治的な意図がプンプン匂う作品でした。大統領選を控えた時期だからこそ視聴者から支持された作品ではないでしょうかね。

本ドラマは名品ドラマと絶賛されましたが、「名品ドラマ」 の定義は何なのでしょう? 前の記事にも書きましたが、普通によくできたドラマだと思います。

以下、ざっくりと感想を。


= = = = = = = =

『追跡者 THE CHASER / 추적자 THE CHASER』 (SBS)
全 16 話
2012.05.28 ~ 2012.07.17

演出:チョ・ナムグク
脚本:パク・ギョンス

出演
ソン・ヒョンジュ → ペク・ホンソク (刑事)
キム・サンジュン → カン・ドンユン(韓国最大財閥ハノグループの婿)
コ・ジュニ → ソ・ジウォン (ハノグループ会長の次女)
リュ・スンス → チェ・ジョンウ (検事)
チャン・シニョン → シン・ヘラ (ドンユンの秘書)
キム・ソンリョン → ソ・ジス (ハノグループ会長の長女、ドンユンの妻) 
カン・シニル → ファン班長 (ホンソクの上司)
パク・グニョン → ソ会長 (ハノグループ会長)
チョン・ノミン → ソ・ヨンウク (ハノグループ会長の長男)

あらすじ
一人娘スジョン(イ・ヘイン)を溺愛する刑事ホンソク (ソン・ヒョンジュ) は、家族と仲睦まじくつつましく暮らしている。大統領選挙に出馬しようとする国会議員のドンユン (キム・サンジュン) は義父であるソ会長(パク・グニョン)との折り合いが悪く、大統領選への出馬を阻止され離婚の危機を迎えている。そんな中、ドンユンの妻ジス (キム・ソンリョン) は人気歌手 PK ジュンと密会中、スジョンを車でひいた後、逃走してしまう。ドンユンはジスのひき逃げ事故を逆手にとり、ソ会長を脅かし、ジスとの離婚を回避し、大統領選挙出馬の機会を得ることになる。しかしスジョンが奇蹟的に一命を取りとめると、不利な状況に陥ることを懸念したドンユンは、ホンソクの友人であり、スジョンの主治医であるチャンミン (チェ・ジュンヨン) を買収しスジョンを始末することをけしかける。

ひき逃げ事故により娘の命が突然奪われたホンソクは、ひき逃げ犯の検挙に全力が挙げるが、そこにはドンユンが仕掛けた大きな罠があった。


= = = = = = = =


本ドラマは、愛する娘のひき逃げ事故死の真相を暴いていく刑事の物語。刑事ホンソク役をソン・ヒョンジュが好演。そして、事件を追ううちに、韓国最大の財閥グループと大統領候補の国会議員カン・ドンユンが絡んでいることがわかるのですが、そのカン・ドンユン役にキム・サンジュン。真実をめぐるホンソクとドンユンの闘いに、カン・シニルら演じるホンソクの仲間たちや、リュ・スンス演じる検事が加勢。パク・グニョン演じる財閥のドンは迫力があり、そうした財閥グループの力と思惑がひき逃げ事件と入り乱れ、緊張感あふれる仕上がりになっています。

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◆ 表裏一体

どんなドラマにも、良い点と悪い点があるのですが、このドラマの場合はそれが表裏一体だなと思いました。

前半の感想でも触れましたが、このドラマは視聴者にとても親切なのです。つまり、すべての事が視聴者に先に見えていて、スクリーンの中の登場人物たちが、その真実をいつ、どんな形で見つけ出すのかということに、視聴者は集中しながら見ることになります。さらに、登場人物たちは、そのひとりひとりについて、その人がどういう人となりかということがよくわかるようなエピソードを挿入されているので、どのキャラクターもぞんざいに扱われることなく脇役にもスポットを当てられながら丁寧に描かれています。

親切である、丁寧に描かれているということの裏返しは、冗長... ということでしょうか。とくに人物キャラクターについては、そこまで語らせなくてもわかるよというベタなセリフが多いように思いました。それでなくても、キャストは演技派揃いなので、表情などを見ていれば十分伝わっているのに 「くどい」 と。

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また、真相追究のため追って追われる攻防戦は、追う側が追われる側になったり、追われる側が追う側になったりと、心理的な立場が逆転するところは緊張感がありました。展開のスピードも、緩急を取りまぜ、流れは弾力性に富んでいたと思います。

ただ緩急の取り入れ方については、「緩」 の部分が長く、それも感傷に浸るシーンが多く、また繰り返し使用される回想場面も多かったように思えました。感情表現について前回にも触れましたが、オーバーに露出する感傷にちょっと馴染めないなと思うこともしばしばありました。

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◆ ザ・ン・ネ・ン

やはりお決まり的な警察の無能ぶりには、なんだかうんざりでした。

相手は大統領候補という強大な権力をもつ敵を前にして決戦を挑もうと出発する直前になって、「あっ、ちょっとトイレに...」 と立ち寄っている間に敵に襲撃されるなんて... ダメすぎる...

また、車に追われて走って逃げるのならば、撥ねられないようにすることが先決でしょう。道路を走っていたら車に追いつかれるのは目に見えていて、車が入れないところへ逃げるでしょう、普通は.... ダメすぎる...

刑事ならば、自分が後を付けられていないかどうかもっと慎重に行動するでしょう? ダメすぎる...

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そして、最も残念だったのは、ラストシーン。

ホンソクは、PK ジュンを誤って死なせてしまうため懲役 15 年の実刑を宣告されるのですが、幻想の中で娘スジョンが出てきて、「アッパは無罪よ」って。ありゃありゃ、最後の最後でそんな感傷と罪と罰をごっちゃにしてしまうなんて...。

子供を殺された親ならば、犯人を殺したいほど憎むのは当たり前ですよね。それでも、実際に銃やナイフを手にとって、犯人を殺す人はいないでしょう。理由はどうあれ、人を殺してしまったら殺人犯に成り下がってしまい、その罪は決して許されるものではありません。

ホンソクは、「娘の命を奪った PK ジュンのことは憎いけれど、PK ジュンのご両親にとっては大事な息子、自分が命を奪ったのだから、罪を償います」 と、法による裁きを受けると裁判官に毅然と言い放っていて、素晴らしかったのに... 仇をとってくれた父親は娘からすれば無罪という終わり方はちょっと違うんじゃない? あああ、台無し。


◆ 社会の鏡 

一方で、現代社会で問われるべきテーマが何気に盛り込まれていたのも面白く、ひとつひとつを深く掘り下げてはいなかったけれども、社会を映す鏡としてのドラマの役割を果たしていたように思います。


人の信頼関係ほど強いものはなく、また脆いものもない。

おカネに目がくらんで仲間を裏切ってしまう... ファン班長 (カン・シニル) がホンソクを売り渡してしまったシーンは、ちょっと衝撃的でした。自分にだって守るべき大切な家族がいるという立派な大義名分はあるのです。そのおカネがあれば病気の妻にも、子供の将来にも助けになる... 背信によって自己嫌悪や罪悪感に苛まれることもわかっていながら、心が揺れてしまう、そうした人間の弱さは十分に理解できます。

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法は何のためにあって、何を、誰を守るのか...。

法を作ったのも、法を動かすのも人間だから、法は万能ではないけれど、法がなければ社会は成立しないのも確かですね。法は公平なのか...。検察官のチェ・ジョンウ (リュ・スンス) が 「法」 と真正面から向き合うという設定も良かったですね。

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「選挙」 とは? 人が人を選ぶ基準は何なのか?

果たして国民は大統領 (政治家) を選ぶ目を持っているのか? くしくもドラマの中でも語られていましたが、所詮、国民は良い人を選ぶのではなく、悪い人を蹴散らしたいだけだと。痛いところを突いてきますね。妙に納得してしまいます。国民は賢くならなければならないけれど、やはり愚かでもあり...


で、何が言いたいドラマなのでしょうか? 社会派ドラマでもあり、父娘の愛情ドラマでもあり、ヒューマンドラマでもあり。複数のジャンルがクロスしていたようです。結局のところ、財閥が牛耳る社会には変わりないという終わり方がリアルで、やや後味が悪かったのですが... 。

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韓流スターやアイドルに頼らず、演技の優れた俳優たちで淡々と作り上げて、視聴率 20% を超えたことは評価できるドラマと言えるでしょうね。それがイコール名品ではないと思いますが...。個人的には韓流スターやアイドル偏向のドラマにはアンチなので、こうした演技派キャストの布陣によるドラマを今後も期待したいですね。



tag: 韓国ドラマ 追跡者

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なお、旧館からの移行記事 (2012年3月以前) はうまく反映されていないものがあります。

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