スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ミュージカル 『ウェルテルの恋』 観劇記

赤坂 ACT シアターで上演していた韓国ミュージカル 『ウェルテルの恋』 を観劇しました。

実は、観ようか観まいか悩んでいたのですが、たままた友人からチョン・ドンソク版のチケットを譲っていただくことになり、それを機に、これはもう自分で身銭を切ってキム・ダヒョン版も観るしかないなと。

ウェルテルがらみの情報を収集したところ、きっと自分好みはキム・ダヒョンの方だろうと、観るならそちらだろうなと思っていたもので。

マッコンひとつ前の回のキム・ダヒョン版と、初日初回のチョン・ドンソク版を連日で観ることができました。

ただ、キム・ダヒョン版は当日券でも前から 4 列目という、嬉しいような、切なくなるような席で、チョン・ドンソク版は前から 10 列目ながら中央ど真ん中から全体が見渡せる席で、いずれの回も噂に聞いていたとおり空席の目立つ寂しい客席でした。

見てから時間が経っているのですが、それでなくても空席が多いものをあえて上演中にワタシの辛口な感想記事で斬る必要もないかと思って、公演がすべて終了してからアップしようと決めていました。


werther.jpg



= = = = = = = = =

韓国ミュージカル 『ウェルテルの恋』 赤坂 ACT シアター

☆ 1 月 18 日 マチネ
ウェルテル: キム・ダヒョン
ロッテ: キム・ジウ
アルベルト: イ・サンヒョン
カインズ: オ・スンジュン
オルカ: ソ・ジュヒ

☆ 1 月 19 日 マチネ
ウェルテル: チョン・ドンソク
ロッテ: キム・アソン
アルベルト: ホン・ギョンス
カインズ: オ・スンジュン
オルカ: ソ・ジュヒ


ゲーテの傑作 「若きウェルテルの悩み」 を原作とした韓国オリジナルミュージカル。
ストーリーの詳細などは コチラ へ。


= = = = = = = = = =



集客が良くない理由は、K-POP アイドルが出演していないからとか、知名度が低いからなど言われていますが、問題はそこではないと感じたことも確かです。

本格的なミュージカル俳優だけを揃えて上演されたこと自体は意味があるような気がします。でも... 正直なところ、この作品には根本的な訴求力が足りないような気がします。

特にミュージカルファンというわけでもなく、お気に入りの俳優が出ているわけでもない場合、一般的にミュージカルを見に行くとき、何を求めるでしょうか?

音楽性・歌唱力、表現・演技力、演出・舞台構成力... それぞれの要素のレベルが高く、かつ、こうした要素のバランスが取れていてこそ満足度が高い作品ということになるのではないでしょうか。

歌を聴きに行くだけではなく、豊かなストーリーや魅力的なキャラクターに引き込まれたいし、演劇と音楽のコラボレーションにも酔いたいし、さらに舞台転換や衣装でスケール感や時代背景を味わいたい... 総合的に満足できる作品、これが一般的に求められている作品だと思います。もちろん個人差はあると思うのですが...

そして、韓ミュだからと満足度への要求レベルが低くなることもないと思うのです。



◆ 音楽性・歌唱力での訴求性

韓国創作ミュージカルということで、オリジナルの音楽は韓国語に合ったメロディライン、なかなか情感豊かで良かったと思います。そして歌唱力についても、申し分ありません。みなさん素晴らしく上手いと思います。

ウェルテル役のキム・ダヒョン、チョン・ドンソク、ロッテ役のキム・ジウ、キム・アソン、各人の持ち味がわかるような歌だったと思います。

アルベルト役については、キャラクター解釈という面ではやや不満で、ホン・ギョンスの方が好みです。イ・サンヒョンは声量が豊かですが、アルベルトはウェルテルの嫉妬の対象であっても悪者ではないので、迫力と言うより恐怖感を覚えるような歌い上げ方は引いてしまいました。



◆ 表現・演技力での訴求性

キム・ダヒョンのウェルテルは、ワタシが高校生の時に読んだゲーテの 「若きウェルテルの悩み」 に登場したウェルテルのイメージに近かったと思います。どこか心を病んでいるような恋というか、当時はストーカーなんて言葉は知らなかったけれど、今で言うところのストーカーですよね (笑)。アルベルトにしてみれば、自分の婚約者、そして妻になったロッテのまわりをうろつかれて迷惑この上ないですよね。

キム・ダヒョン版は、ロッテに捧げる愛に自己陶酔して破滅する... 繊細さと病的な部分を持ち合わせているウェルテル。

チョン・ドンソク版は、チョン・ドンソクが 23 歳とまだ若いということもあって爽やかさが際立ち、純粋な愛、未熟な愛に絶望する... 不憫なウェルテル。

こうした 2 つのタイプのウェルテルは、各人の容貌 (2 人とも 「超」 美しいです... ) や雰囲気に合っていて解釈としては 「なるほど」 と説得力があったと思います。ただ、表現力という面では物足りなさも感じました。舞台の広さに比べると動線がこじんまりしすぎだし、人と人との距離感が中途半端、ひとつひとつ感情の布石を置いていくという丁寧な過程が足りず、クライマックスへ導かれていく収束力が緩いというか甘いのです。

アルベルト役の解釈については、先に触れましたが、演技面においては不満なキャラクターでした。ダヒョン版ウェルテルの病んだ愛に対する健康な愛、ドンソク版ウェルテルの純粋で未熟な愛に対する成熟した愛... そうした対比の上でアルベルトを見せて欲しかったなと、ワタシの勝手な解釈ではそう感じてしまいました。

ウェルテルが自殺をするきっかけとなる事件を起こすカインズについては、自分が思っていたキャラクターと違っていて、うーーーん (悩)。



◆ 演出・舞台構成力での訴求性

この作品で最も残念だったのは、何よりもこの悲劇に没入できない、集中できないという大きな難点があったことでした。その第一の理由は、作品のスケールに比べて、ACT の舞台が広すぎるということ。つまり舞台空間を活かし切れておらず、空間の 4 分の 3 は持て余しているようで、凝縮感がなく、作品としての印象が薄いものになってしまっていました。

セットも野暮ったくて、奥行きがまったく感じられない...。ゲーテの世界観どころか、ヨーロッパの世界かどうかもあやしい... あの酒場は韓国の田舎の酒場かって...。

ラストシーン、小学生が学校で使っていそうな小机とイスがなぜあんな斜面に置かれているのか... その斜めに置かれた小机とイスが気になってしまって、肝心のラストに共鳴できませんでした。

衣装もタカラヅカのお古のよう、ダンスもいまひとつ...。照明にも工夫がなく...。

各キャラクターに対する演出にメリハリがなく、キレもなく... 歌は上手かったけれど... 全編を通してのっぺりした、もっさりした演出と舞台構成。

『光化門恋歌』 の時も同じことを思ったので、韓国プロダクションの弱点は同じようなものなのかなと...。昨年熱狂した 『スリル・ミー』 が良かったのは、やはり日本の演出とプロダクションだったからで、あれが韓国のプロダクションだったら熱狂できたかどうか...。


◆ ◆ ◆


総じて、プリンスたちの力量と音楽性に頼りすぎた作品だったと思います。ただし、プリンス 2 人をはじめとするキャストには罪はありません。

ワタシ自身も以前プロモーターの仕事をしていたので、こうした海外プロダクションの招聘公演にはコストがかかることは承知していますし、劇場が ACT ということを考えると、チケット代 9.800 円は確かに抑えられた料金なのかもしれません。でも、チケット代に見合う内容かどうかという判断は、観客に任せられるものです。

韓ミュブームなんて、本当に日本に来てるのでしょうか? 韓国エンタメ界は、海外の反応を過大評価する傾向があって、手前味噌、お手盛りな記事が氾濫していると思うことが多くて、観客の満足度に正面から向き合っているとは見受けられないのが残念なところ。上から目線で申し訳ないのですが、「美しいプリンスたちを見て、目の保養に...」 と割り切れないものがどうしても残るのです。

まぁ、そんなことを言いながらも...

チョン・ドンソクの初日初回公演記念として、チョン・ドンソク自らのお見送り&握手&ちょこっとお話というサプライズサービスの時には、キラキラ光るプリンスの目はワタシの目をしっかりとらえ、にっこりと微笑みを送ってくれたものですから、ああ、もうあらがえない... 機会があったら、別の作品でまたプリンスに会いたいわなどとも思ったのでした。矛盾だらけのワタシ... (笑)。

おしまい。




tag: 韓国ミュージカル

プロフィール

lotusruby

Author:lotusruby
当ブログ内での画像・動画は個人で楽しむ範囲で掲載しており、記事文中は敬称略とさせていただきます。

ブロガーさんとのリンクは歓迎ですが常識の範囲でお願いいたします。また、Twitter への記事リンクは事前にご照会いただけると幸いです。さりげなく拍手をくださる方、ありがとうございます。

なお、旧館からの移行記事 (2012年3月以前) はうまく反映されていないものがあります。

twitterwidget
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。